イタリアンレストランのレイアウト設計完全ガイド
2026/02/14
売上・回転率・顧客満足を最大化する店舗デザイン戦略
イタリアンレストランのレイアウト設計は、単なる席配置や厨房の位置決めではありません。
それは「売れる仕組み」を空間として構築する作業です。
イタリアンは、前菜・パスタ・メイン・ドルチェと皿数が多く、滞在時間も比較的長い業態です。そのため、レイアウトの質が売上・回転率・客単価・スタッフ効率に直結します。
本記事では、店舗専門の設計視点から、
イタリアンレストランのレイアウト設計を網羅的に解説します。
目次
イタリアンレストランのレイアウト設計が重要な理由
イタリアンレストランの空間設計には、以下の4要素を統合する必要があります。
- 厨房オペレーション効率
- スタッフ動線
- 客席体験
- 収益構造
どれか一つでも欠けると、店舗経営は不安定になります。
イタリアンレストランのレイアウト設計が重要な理由
- 配膳時間短縮
- 回転率向上
- クレーム減少
- 客単価アップ
- スタッフ負担軽減
- リピート率向上
つまり、レイアウトは「利益率を決める設計」です。
レイアウト設計前に整理すべき前提条件
サブタイトル
タイトル
業態の明確化
イタリアンレストランと一口に言っても、業態は大きく異なります。
リストランテ(高級・コース主体)
・席間を広く
・静かな空間
・ワイン重視
・滞在時間120分以上
トラットリア(地域密着型)
・席数重視
・賑わい
・回転率1.5回以上
ピッツェリア
・薪窯中心設計
・厨房面積増加
・ファミリー利用
バール
・カウンター主体
・坪効率重視
業態の方向性が曖昧なままレイアウト設計を進めると、空間の軸がぶれます。
タイトル
メニュー構成と厨房規模
パスタの種類、ピザの枚数、前菜の仕込み量などにより、必要な厨房面積は変わります。
厨房面積の目安
全体の30〜40%
ピッツェリアやコース中心店舗では40%以上になる場合もあります。
タイトル
客単価と席間の関係
客単価と空間の余白は比例します。
- 客単価3,000円:席間500~900mm程度
- 客単価6,000円:席間900~1100mm程度
- 客単価10,000円以上:1100mm以上
レイアウトは価格戦略の一部です。
ゾーニング設計:店舗全体の骨格を決める
サブタイトル
イタリアンレストランの基本ゾーンは以下です。
- エントランス
- ( 受付 )※客単価によって有無
- 客席
- 厨房
- サービスステーション
- (ワインエリア)※ワインセラー等設置の場合
- トイレ
- バックヤード
ゾーニングを曖昧にすると、工事後に修正が困難になりますので最初にしっかりと決めておくことをお勧めします。
タイトル
厨房と客席の黄金比
目安は
厨房30〜40%:客席60〜70%
客席を増やしすぎると、厨房効率が低下します。
客席数、客単価、席数、メニュー構成のバランスを考慮し設定する必要があります。
タイトル
視線のコントロール
見せる
- 薪窯
- 盛り付け
- ワインセラー
隠す
- 洗い場
- ゴミ置き場
- ストック
視線設計は、ブランド価値を決定します。
お店のブランド価値を高めると考えられる箇所を積極的に見せ、見せる必要のないところは隠し効果的に印象のコントロールを行う必要があります。
厨房レイアウト設計の実践ポイント
サブタイトル
タイトル
厨房設計6原則
- 火を使う機器をまとめる
- 調理工程を考慮し順に配置
- 通路幅900mm以上(理想)
- 洗い場は客席から隠れた場所
- パスを最短距離に
- 冷機と熱源の距離確保
厨房は作業効率を優先し設計し、必要に応じて厨房機器業者と協力しながら進めていきます。
タイトル
業態別厨房の特徴
ピッツェリア
薪窯中心設計。排気計画が重要。
客席から期待感をもたらす窯の配置設計も重要となります。
パスタ主体
パスタボイラーとコンロの位置が鍵。
盛り付け台(作業台)との兼ね合いも最大限考慮する必要があります。
リストランテ
デセールスペース、ワインセラー必須。
お客様に見せるセラーもしくはあえて隠すセラーなど、ソムリエの在籍の有無等各お店・シェフの個性をいかんなく発揮できるよう設計を進める必要があります。
厨房効率は回転率に直結します。まずは作業導線をしっかりと確保する必要があります。
その上で見せるところ、隠すところ等お客様の印象を左右する箇所をしっかりと設計していきます。
客席レイアウト設計
サブタイトル
タイトル
テーブルサイズの最適解
イタリアンは皿数が多いため、やや大きめが理想です。
- 2名:600~700×700mm 程度
- 4名:1400×800mm 程度
タイトル
席種の組み合わせ戦略
- カウンター席:回転率向上
- テーブル席:安定売上
- 半個室:単価アップ
回転席と滞在席のバランスが重要です。
客単価やお店のコンセプトによって多種にわたる為、しっかりとお店のコンセプトを共有することが重要になります。
タイトル
滞在時間と回転率の設計
- カジュアル:60〜80分
- ミドル:90〜120分
- 高級:120分以上
回転率1.2〜1.5回が目安。
動線計画の最適化
サブタイトル
タイトル
良い動線の条件
- 客動線とスタッフ動線が交差しない
- ループ型
- 配膳距離最短
シンプルですが動線設計は「歩行距離の削減」が本質です。
サービスステーション設計
サブタイトル
- 客席から見えない or あえて客席の見渡せる場所
- 厨房と客席の中間
- カトラリー・グラス集中
- その他ホールにて必要になるものを効率的に配置
サービス効率を劇的に向上します。
照明設計と空間演出
サブタイトル
タイトル
照明の基本
- 高演色(Ra90以上)
- 2400K~2700K(色温度)が基本
- テーブル中心に当て込み
- 間接照明やブラケット照明などを効果的に配置
料理の色を正しく・おいしく見せることが重要です。
近年ではLED照明が基本となっておりますが、場合によってはテーブルに蝋燭のみを置く等アナログな手法が効果的な場合もあります。
また、エッジのきいたリストランテでは色温度を白っぽく(4000K)する場合もありますが、その場合は内装デザインと高度にマッチしている必要があります。
音楽、音響設備について
サブタイトル
お店の雰囲気づくりにおいて、音響設備は非常に重要となります。
音楽の選定はもちろんのこと、スピーカー、アンプ等どのようなものを選ぶかによって大きく雰囲気が変わってきます。
天井スピーカー、ウォールスピーカー、アンビエントタイプにするのかどうか、またはJBLのヴィンテージスピーカーで行くのか最新機器でそろえるのか。
意外にも軽視されがちな項目ですが音響にもこだわりを持つことで他の店舗との差別化を図ることが可能になります。
内容は多岐にわたる為、また別のコラムにてまとめたいと思います。
外観(ファサード)設計
サブタイトル
外観はお店の顔となる部分で、入店率を左右します。
- 業態が瞬時に伝わる
- 価格帯が想像できる
- 入りやすい設計 or 内部環境を守る設計
近年ではSNSやネット情報を事前に確認してから来店されるお客様がほとんどかと思います。
普段発信しているかたはその情報と祖語の無いよう気を配る必要もあります。
SNSとリアル店舗の内容を両方共をしっかりと一致させることで、より店舗イメージ強化を図ることができます。
トイレ・バックヤード設計
サブタイトル
タイトル
トイレ
- 清潔感
- 防音
- 自然な動線
大前提として常に清掃の行き届いた空間を維持することが重要です。
また客席、厨房を優先するあまり狭くなりすぎている店舗も散見されるため、最低限居心地の悪くならないスペースを確保することも重要です。
タイトル
バックヤード
- ゴミ置き場
- ストック
- スタッフルーム
裏側の質が従業員の居心地に直結します。
在籍人数から逆算し、無理のないスペースの確保が重要です。
運営をしていくにあたり、徐々に荷物は増えていきます。可能であれば十分なストックスペースを確保することをお勧めします。しかし優先順位はあくまでお客様スペースとなる為、しっかりと打ち合わせをし最終決定していきます。
設計プロセス
サブタイトル
- ヒアリング
- コンセプト・メニュー共有/分析
- ゾーニング
- 平面設計(厨房計画)
- 実施設計
- 現場監理
ざっくりとした手順は上記のようになります。
より詳しく弊社(HEMIIK&Co.)の流れを記載したページもございます。よろしければご覧ください。
まとめ:イタリアンレストランのレイアウトは空間戦略
サブタイトル
イタリアンレストランのレイアウトは、
売上・体験・効率を統合する戦略設計です。
厨房、動線、客席、照明、素材、外観。
これらが連動して初めて、成功する店舗が生まれます。
レイアウトは「図面」ではなく「経営設計」といっても過言ではありません。
HEMIIK&Co.ではこのようなことをしっかりとしたヒアリングを通して丁寧に行ってまいります。
お気軽にお問い合わせくださいませ。
